中期経営計画「再興2026」(2024~2026年度)
株式会社ファンケルは、2024年度を初年度とする第4期中期経営計画(2024~2026年度)を策定しましたのでお知らせいたします。
当社グループは、2015年度にスタートした第1期中計(2015~2017年度)「広告先行成長戦略」により、業績のV字回復を果たし、持続的な成長基盤を確立しました。その後2018年には、創業50周年を迎える2030年に目指す姿として「VISION2030」を策定。その実現に向けて、第2期中計(2018~2020年度)「実行2020」では、「収益力の向上および海外事業の本格成長に向けた基盤固めの時期」と位置付け、取り組みました。第3期中計(2021~2023年度)「前進2023」では、コロナで生じた新たな「不」の解消を図るとともに、社会環境の変化に即応し、お客様との絆を深め国内外で持続的な成長を実現するための様々な改革を実行しました。
VISION2030~世界中を、もっと美しく、
ずっと健やかに
そして世界中で愛される会社に~
2030年のファンケルグループは、ベンチャーとして様々な事業領域に挑戦し、
それぞれの事業が、日本にとどまらず広く世界で、より多くのお客様の美しく健康で
豊かな生活を支え、信頼され愛される企業集団となることを目指します。
第4期中期経営計画「再興2026」
第4期中計(2024~2026年度)は、新しいファンケルを作り上げる第二の創業期と位置付け、「再興2026」と銘打ち、日本のみならずグローバルで存在感を示す企業への成長を実現してまいります。
第4期中期経営計画 「再興2026」
国内の事業基盤をさらに強固にするとともに、
国内で生み出したキャッシュを海外事業に積極的に投資し、成長ドライバーに育成する
1. 重要課題(マテリアリティ)と3つの重点テーマ
中期経営計画「再興2026」で取り組む重要課題を再設定。ファンケルグループが創造したい未来を、すべてのステークホルダーに明確に伝えるため3つの重点テーマを定め、重要課題を分類。
【重点テーマ】
- 豊かな地球環境
気候変動への対応を最優先に、企業活動のあらゆる面で自然の恵みに感謝し、豊かな地球環境の保全に貢献していきます。 - 健やかな暮らし
独自性のある製品サービスを通じ、世界中の人々の健康寿命の延伸と、生活の質(QOL)の向上に貢献していきます。 - 誰もが輝く社会
違いを認め合い、互いを尊重し合うことで、誰一人欠けることなく、一人ひとりがそれぞれの場所で輝ける社会づくりを目指します。
2. 事業戦略
化粧品事業(国内)
ファンケル化粧品 |
ブランドの多角化を見直し、「肌不調」を解消するブランドとしてポジションを確立。
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アテニア |
一流品質の製品を適正価格で提供する、唯一無二の「エイジングケアブランド」としてのポジションをさらに強化するため、「ターゲットの年代層」と「チャネル展開」の拡大を図る。
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健康食品事業(国内)
「一人ひとりの心身の健康に最適な提案で、一生涯自分の力で豊かな人生をおくる人を増やす」 というビジョンのもと、「ターゲット層の選択」と「経営資源の集中」を図る。
- 強い基盤を有する40~50代女性に加えて、新たに55~64歳のプレシニア層を開拓。
- 健康ニーズに対しては、ファンケルの強みである「個別の健康悩みを解決する製品」に加え、「日常の健康対策で習慣化しやすい製品」を主軸に、強いポートフォリオを構築し、単品ではなく面でアプローチ。
- 主要製品は①マイナスをゼロに(個別の悩みの解消)、②ゼロをキープ(日常の健康対策)、③プラスオン(より美しく、若々しく)にポートフォリオを整理し、それぞれの領域ごとにお客様とのつながりを強化、新製品の投入も行い売上拡大を図る。
3. 販売チャネル戦略
(1)国内チャネル
当社の強みであるD2Cモデルの多様なリソースを最大活用し、お客様育成モデルを変革することで、LTVの向上を目指す。
- これまで有していたお客様の購買データに加え、お一人おひとりの行動や特徴を多面的にデータで捉え、お客様育成を図る。
- SNSやアプリ、メルマガに加え、イベントによる体験価値の最大化で、お客様とのつながりの強化を図る。
- 外部通販は、主要なモール内でのマーケティング強化とクロスセルで、新しいお客様との接点拡大および売上拡大を図る。
(2)海外展開
VISION2030の達成に向け、この3年間は海外事業に積極投資し、成長基盤を確立する。
- 市場規模、成長性を加味し、「中国」「ASEAN」を重点エリアに設定。
- 中国は、ファンケルサプリメントとアテニア、ブランシックを中心に強化。
- ASEANは、現地パートナー(代理店)と協業し、ベトナムから段階的に進出。
■化粧品事業
- アテニアは、中国では越境ECに加え、一般貿易販売を開始。ASEANにも積極展開し、まずはベトナムから、その後、タイ、マレーシアに広げていく。
- ブランシックは、中国を重点市場と位置付け、越境ECを強化。自社によるライブコマースの強化や、プラットフォームの自営店舗、美容エステサロンに展開し、売上拡大と事業の安定化につなげる。
■健康食品事業
中国
- ブランドオーナーとして、中長期的な視点で「ブランディング」や「商品育成」に取り組む。
- 越境ECは、日中で戦略を連動させ、30~40代の女性とプレシニア層を主要ターゲットに展開。
- 一般貿易販売は、保健食品の届出を進め、将来的に高級スーパーや薬局など1,000店舗への展開を目指す。
- 高価格帯の独自性のある製品の投入や、異業種の有力企業と連携した新たなチャネル開拓を検討し、売上拡大を図る。
ASEAN
- 日本製への評価が高いベトナムを皮切りに、新ブランドを立ち上げ、展開することを検討。キリングループのブラックモアズ社との協業検討も進める。
4. 経営基盤の強化
研究 |
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製造 |
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ITシステム |
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物流 |
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人材 |
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5. 第4期中計 非財務目標
マテリアリティ | 目標項目 | |
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1 | 気候変動・CO2排出量の削減 |
2050年度までに、CO2排出量実質ゼロ |
2 | 資源循環の促進と廃棄物の削減 |
2030年度までに、プラスチック包材を使用した容器包材の4R対応100% |
2030年度までに、ファンケル化粧品のプラスチックを使用した容器のうち、植物由来・再生由来プラスチックの使用率50% |
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2026年度までに、容器回収リサイクルのお客様参加数(累計)10万人 |
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3 | 持続可能な生物資源の利用 |
2026年度までに、持続可能なパーム油の調達 マスバランス比率80% |
2025年度までに、紙を使用した容器包材における環境配慮紙の採用率100% |
マテリアリティ | 目標項目 | |
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1 | 年齢とともに生じる健康と美の課題への対処 |
2026年度までに、ファンケルの化粧品・健康食品を利用する50歳以上の方を2023年度比110%に拡大 |
2026年度までに、年齢とともに生じる健康と美の課題に対してファンケルの製品を利用するプレシニア・シニアの方を2023年度比125%に拡大 |
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2 | 女性特有の健康課題への対処 |
2026年度までに、女性特有の健康課題に対してファンケルの製品を利用する方を2023年度比120%に拡大 |
3 | 肌不調の増加への対処 |
2026年度までに、肌不調に対してファンケルの無添加スキンケアを利用する方を2023年度比120%に拡大 |
4 | 基本栄養の適切な摂取 |
2026年度までに、基本栄養の適切な摂取にファンケルの製品を利用する方を2023年度比115%に拡大 |
マテリアリティ | 目標項目 | |
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1 | 多様性・人権の尊重 |
2030年度までに、女性管理職比率50% |
2030年度までに、女性の上級職志向率70% |
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2030年度までに、女性のいきいき職場総合評価12.5点 |
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①2030年度までに、男性育休取得率100% |
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2030年度までに、障がい者雇用率5% |
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2 | 地域・社会への貢献 |
2026年度までに、未来の健やかな暮らしにつながる活動の参加者数(累計)19,000人 |
2026年度までに、障がいのある方に明るく前向きな日々を過ごしていただくための活動の参加者数(累計)1,400人 |
マテリアリティ | 目標項目 | ||
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多様な人材 | 1 | 従業員エンゲージメントの向上 |
ストレスチェック結果 直近 3 年平均 12.0 点以上 (いきいき職場総合評価) |
2 | イノベーションを実現する人材育成と活用 |
2026 年度までに、 |
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3 | 健康経営の実現 |
① 2030 年度まで、健康診断受診率 100%を維持 |
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4 | 労働安全衛生の確保 |
① 2030 年度までに、労働災害発生率(休業)1.0%以下 |
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共存共栄 | 5 | お取引先様との共存共栄の関係性づくり |
2030 年まで、お取引先様アンケート満足度 90%以上を維持 |
6. 株主還元
株主還元は、これまで通り業績動向に応じた利益配分かつ安定的な配当を実施する。
配当 |
連結配当性向40%程度およびDOE(純資産配当率)5%程度を目途に配当金額を決定 |
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自己株式の取得 |
設備投資などの資金需要や株価の推移などを勘案し、資本効率の向上も目的として機動的に実施 |
自己株式の消却 |
発行株式総数の概ね10%を超える自己株式は消却 |
7. 数値目標(連結)
売上高 | 営業利益 | ROIC | ROE | |
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2026年度 計画 (2027年3月期) |
1,330億円 |
190億円 |
13.6% |
13.6% |
【参考】 2023年度(2024年3月期) |
1,108億円 |
125億円 |
9.9% |
11.4% |